顎変形症・先天異常に伴う不正咬合

矯正歯科治療における保険適用の範囲は2つ

矯正歯科治療における保険適用の範囲(歯並びを治すのに保険がきく場合)は大きく分けて2つあります。

指定自立支援医療機関(育成・厚生医療)のうち顎口腔機能診断施設において治療が受けられます。

1. 顎変形症(外科手術を伴う矯正歯科治療)

歯は歯槽骨と言う骨の中に植わっていますが、歯の土台である顎の骨のずれが大きい場合、歯槽骨内での歯の移動だけでは上手く咬むことが出来ないことがあります。このような場合は顎変形症と言い、歯槽骨の位置を外科手術で調整する必要が出てきます。

具体的には、程度の大きな反対咬合(受け口)、程度の大きな開咬(口を閉じても上下の歯が咬み合わないで一部開いている)、程度の大きな上顎前突(出っ歯)、程度の大きな顔面非対称などの場合です。

顎変形症の矯正歯科治療の目的は顎骨の位置も調整すること

外科的矯正歯科治療では下記のような改善が可能です。

  • 前後方向への顎間関係の改善
  • 垂直方向への顎間関係の改善
  • 横方向への顎間関係の改善-(1)顔貌の非対称(2)歯列弓の拡大と狭小化
  • オトガイの位置の改善

顎変形症の矯正歯科治療の流れ

Step.1 初診カウンセリング  
Step.2 検査  
Step.3 診断・治療計画の説明  
Step.4 術前矯正(歯を動かす)

※1ヶ月に1回の来院

1〜2年
Step.5
  • 検査
  • 入院
  • 外科手術
  • 退院
1〜2週間(入院)
Step.6 術後矯正(歯を動かす)

※1ヶ月に1回の来院

約1年
Step.7 検査  
Step.8 動的治療結果の説明  
Step.9 保定(経過観察)

※3ヶ月に1回の来院

2年
Step.10 検査  
Step.11 最終治療結果の説明  

顎変形症の矯正歯科治療のメリット

Point.1
顎骨の変形を大きく改善できる
Point.2
将来的に虫歯や歯周病のリスクを下げる
Point.3
国の支援を受けることができる

2. 国が定める疾患に起因した咬合異常等

前歯および小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)と 国が定めた先天異常に伴う不正咬合には健康保険が適用されます。その先天異常とは保険の改定時に少しずつ変化し、2022年4月改定時での適用範囲は こちらです。

国の定める疾患に起因した咬合異常の矯正歯科治療のメリット

Point.1
国の支援を受けることができる
Point.2
将来的に虫歯や歯周病のリスクを下げる