大人の矯正歯科治療

成人の矯正歯科治療では発育期の子どもと比べて矯正力に対する反応はややゆっくりしていますが、歯の移動は基本的に同じで、いくつになっても治療可能です。

年齢を理由にあきらめてしまえば、その後の歯科治療もより難しいものになっていき(受け口や出っ歯のままでは歯が悪くなってしまった時の治療が難しい)お口の健康、ひいては全身の健康にも影を落としてしまいがちです。あきらめずに矯正歯科治療を受けることで、歯の移動と共に顎骨の位置のバランスも改善するので、その後の歯科治療もしやすくなり、健康な状態が保ちやすくなります。

成人の矯正歯科治療は大きく2つに分けられる

成長の終了した成人の矯正治療は、大きく分けて2つに分類することができます。

1.歯周病や虫歯などの問題がなく、年齢に関係なく治療を受けることができる矯正歯科治療

2.歯周病や虫歯、喪失歯などの問題があり、低下した口腔機能の回復を図るために行う歯科治療をサポートするために、一般歯科治療と連携して行う矯正歯科治療年齢が若いと、一般的に前者の治療となり、年齢が進むにつれて後者の治療が多くなります。

成人の矯正歯科治療の目的は見た目以外にも

目的は機能的、審美的および心理的改善とその維持です。
具体的には、以下のような改善、維持が挙げられます。

  • 1.歯科的疾患の予防
  • 2.顎骨の成長発育障害の予防
  • 3.咀嚼機能の改善と維持
  • 4.口唇閉鎖不全の改善
  • 5.発音の改善
  • 6.顎関節と咬合の調和
  • 7.バランスや運動能力の改善
  • 8.一般的な歯科治療を行うために必要な歯牙移動

成人の矯正歯科治療の流れ

Step.1 初診カウンセリング  
Step.2 検査  
Step.3 診断・治療計画の説明  
Step.4 動的治療(歯を動かす)
1ヶ月に1回の来院
2〜3年
Step.5 検査  
Step.6 動的治療結果の説明  
Step.7 保定(経過観察) 2年
Step.8 検査  
Step.9 最終治療結果の説明  

成人の矯正歯科治療のメリット

Point.1
将来的に虫歯や歯周病のリスクを下げる
Point.2
人工歯ではなく自分の歯を活かせる
Point.3
顎骨のバランスも良くなる

大人の矯正歯科治療でよく使う装置

大人の矯正歯科治療では主にマルチブラケット装置を使用します。このうち、歯の前につけるのがメタルブラケット、セラミックブラケットです。裏側につけるのがリンガルブラケットです。マルチブラケット以外にマウスピース型の取外しができる装置もあります。

また金属アレルギーの方に対応した装置もご用意できます。

見えない裏側矯正

リンガルブラケット

・歯の裏側につける固定式のブラケットとワイヤーでできていて、ワイヤーを定期的に調節または交換することで歯を動かします。
・前からは見えないため、人に気づかれません。
・裏側に装置がつくため歯みがきを丁寧にする必要があります。
・ブラケットをつけて1カ月くらいはしゃべりにくいことがあります。
・仕事などでブラケットが見えるのは困ると言う方に適しています。

透明アクリルプレート

マウスピース型矯正装置(インビザライン)

・取外し式の薄いアクリルプレートを装着して歯を動かしていきます。
・目立たないため、ほとんど人に気付かれません。
・歯みがきしやすいです。
・金属を含まないため、金属アレルギーの方でも大丈夫です。
・不正咬合の状態によってはこの装置の他に固定式のブラケットを使用しなければならない場合があります。
・当クリニックで使用のマウスピース型矯正装置はアメリカで作成され、海外技工物のため完成物が薬機法対象外となります。

目立ちにくい表側矯正

セラミックブラケット(セルフライゲーション)

・固定式のセラミックブラケットとワイヤーでできていて、ワイヤーを定期的に調節または交換することで歯を動かします。
・白っぽくすることで装置が目立たず、治療中もお口元の雰囲気はほとんど変わりません。
・目立ちにくいセラミックでできたブラケットのセルフライゲーション版です。
・従来はブラケットとワイヤーを細いワイヤーやゴムでくっつける必要がありましたが、セルフライゲーションブラケットは蓋を開閉することでワイヤーとブラケットをくっつけます。
・運動靴のひも靴とマジックテープの靴の違い様なもので、ワイヤー交換時の着脱が快適になりました。
・白いワイヤーと組み合わせる事で、さらに目立ちにくくする事もできます。

基本的な表側矯正

メタルブラケット(セルフライゲーション)

・従来からの丈夫な基本の金属ブラケットの進化版、セルフライゲーションブラケットです。
・従来はブラケットとワイヤーを細いワイヤーやゴムでくっつける必要がありましたが、セルフライゲーションブラケットは蓋を開閉することでワイヤーとブラケットをくっつけます。
・運動靴のひも靴とマジックテープの靴の違い様なもので、ワイヤー交換時の着脱が快適になりました。